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Pick up Interview 栗山 航

公演するたびに発見があり、役への愛が深まっています

 江戸時代後期に曲亭馬琴こと滝沢馬琴によって、著された長編伝奇小説『南総里見八犬伝』を題材にした舞台『里見八犬伝』が4月15日より全国12か所で公演されている。“犬”の字を含む名字をもつ八人の若者を主人公とする物語だが、栗山航さんが演じるのは、八人衆ではなく劇中ではヒール役となる『左母二郎』。
「プロデューサーの松村さんからは『栗山くんは悪役にはなれない』と言われていたので、八犬士の誰なんだろうなって思っていましたが、左母二郎役だと聞いてびっくりしました。悪役を演じたことはありませんが、ずっと興味があったのですごく嬉しくて、今は楽しくやらせてもらっています」
 優しくて清潔感のある甘いマスクで多くのファンを魅了。これまでもヒーローや爽やかな役が多く、色物でヒールなイメージの役を演じることは想定外だったが、今回のロン毛に着流しというビジュアルは本人も衝撃的で新鮮とのこと。
「これだけ悪っぽさが出せているのは、衣装やメイクなどスタッフさんの力添えもあってのこと。ファンタジーな世界で生きる悪役というのはいかに色を出していくかだと思うので、今までのヒーロー色を排除して、自分の中の悪さをのびのびと出させていただいています。役に沿ってですけれど、表裏一体の役なので悪と善、どちらに転がってもおかしくない左母二郎の人間性をどんどん好きになっていますし、一公演一公演大事に演じるたびに新たに発見する部分があって、役への愛が深まっています。最初は本当に悪いやつをやりたいなと思っていたんですが、役に向き合っていくうちに誰よりもヒーローに近くて、誰よりも完璧な男というのが見えてきたんですよね。この役は、役者として大きな経験になると思います」
 と、かなりの手ごたえとやりがいがあることを語ってくれた。役づくりに関しても演出の深作氏からは『思ったことを自由にやってくれ』と言われたそう。
「自分が思う左母二郎づくりを自由気ままにやらせて頂いたので、“演出・栗山航”と言ってもおかしくないくらい(笑)。頼ってくれた深作さんには感謝です。派手な殺陣も見せ場のひとつ。大きくキレイに見せるために体全体で表現することを意識しています。さらに座長の山崎賢人くんを生で見られるのはいいですよ。賢人くんは人懐こくて、愛される人なんだなと改めて感じますね。色々な人とのコミュニケーションの取り方、そして自然体でとてもよい座長が、主役の犬塚信乃をパワフルに演じているので、ぜひ観に来てください」 名作『里見八犬伝』が役者のステップアップ作品になることを期待し、手ごたえを感じている栗山さんが出演しているM V が、今ネット上でかなり話題になっている。手話ダンスで音楽を届けるアーティスト“HAND SIGN”のシングル『僕が君の耳になる』のドラマバージョン・ミュージックビデオが3月29日の発信から再生回数は日々上昇。主役を務め、見る人、聴く人の心を動かし、反響を呼んでいる。
「手話とダンスで最高のパフォーマンスをするHAND SIGNさんはすごいですよ。手話ってパワーを使うし、表情が一番大切なんです。僕が出演しているラブストーリーもすごくよいので、手話ダンスと共に広まることを期待しています」


TEXT / Ikumi A ihara
PHOTO / ISSO

1991年生まれ。俳優としては2013年にTVドラマ「牙狼<GARO>~闇を照らす者~」でデビュー。主演を務め、以降ドラマをはじめ、映画、舞台と活躍の場を広め、『ジャパンアクションアワード2016』ベストアクション男優賞優秀賞を受賞。現在、舞台「里見八犬伝」(佐母二郎役)を好演中。


Vegas『里見八犬伝』
 脚本/鈴木哲也
 演出/深作健太
 出演/山崎賢人、青木玄徳、玉城裕規、和田雅成、比嘉愛未、栗山航ほか
 公演/東京:5月30日(火)・31日(水)



■Special Interview 山本美月