ホーム > Pick up Interview 尾上松也

Pick up Interview 尾上松也

不安と期待は常に同居だけど、挑戦し続ければ出会いや発見を楽しめる

 2006年、劇団☆新感線と宮藤官九郎氏の初タッグにより誕生した『メタルマクベス』。かの劇作家・シェイクスピアによる『マクベス』の世界観を守りながらも、ハードロックやヘヴィメタルをはじめとするとりどりの楽曲で彩られた伝説のステージが、12年ぶりに返ってくる。
 キャストの一新を図り、宮藤氏自ら書き直した脚本と、演出にも新たなアレンジを加え、disc1、disc2、disc3の3作を連続上演することとなった。その「disc2」で主人公ランダムスターを演じるのが、今や歌舞伎のみならずドラマや舞台にもひっぱりだこの尾上松也さんだ。
 製作発表の場では、「劇団☆新感線の舞台に出演することは念願だった」と喜びをにじますコメントを残しているが、事実、これまでにも同劇団の芝居には幾度となく足を運んでいるという熱の入れよう。DVD化された作品は繰り返し観ているという。
「演出のいのうえさんはよく歌舞伎をご覧になるので、歌舞伎的要素が盛り込まれた作品が多いんです。その中で挑戦できることは、不安もありますが、とてもうれしく、ワクワクしています」
 気品あふれる佇まいからは、不安な気持ちを抱えていることなど微塵も想像できないが、本人は「スランプもしょっちゅう」と謙遜する。
「新しいことに挑戦する際には不安はつきものですし、『今回はよくできた!』と合格点を出せることなんてないです。ですが、不安な気持ちと同じくらい、『自分はどんな結果を出せるだろう?』という興味や期待も大きいですし、そこには新しい出会いや新しい発見も待っています。未知の経験ができるということは人生において非常に価値あることですし、そうした機会をいただけるのはありがたいことです」
 各界からのラブコールが相次ぐ中、大好きな音楽に携わる機会も増えた。
「ここ数年はミュージカル作品にも出演させていただけるようになりましたし、今回の舞台も音楽性が強い作品です。そこに選んでいただけて光栄ですし、僕自身も楽しみたいですね」
 また、3組中もっとも年の離れた夫婦を演じることも楽しみの一つという。
「お稽古に入るのはこれからですのでまだどのように仕上がるかわかりませんが、大原櫻子さんは若くてかわいらしい方なので、僕が溺愛しすぎて翻弄されるような形になるかもしれません(笑)」
 夫婦役を演じるとなれば、ご自身の結婚願望も気になるところ。具体的な予定はまだないというが、「33歳ともなると同世代だけでなく後輩にも既婚者が増えてきて、まずいなと思うようになりました(笑)」とストレートに明かす。
「結婚した友人たちが“お父さん”として社会に立っている姿が非常にたくましくて。僕も子どもはとても好きですし、子どもがほしいという思いはだんだん募ってきましたね」
 とはいえ今は目前の舞台で最高のパフォーマンスを発揮することが最優先。メタルロッカーにふさわしい肉体づくりのためにジム通いをする毎日だ。
「着物ですとある程度ボリュームがあったほうが映えるので普段は気にしていません。こんなに通い詰めているのは初めて。結果が出てくるとうれしくて、今は家に帰るとすぐに上半身を脱いで鏡をチェックしています(笑)」
 はまり役だった『さぼリーマン甘太朗』の主人公同様、スイーツ好きで知られるが、役作り中はそれも我慢。そんな中、食欲を刺激して申し訳ないがおすすめを尋ねると、「不動の一位はパレスホテルのマロンシャンティイ!」と即答。disc2観劇が先かマロンシャンティイを味わうのが先か、ファンにとっては迷いどころなのでは!?


TEXT /Reiko Matsumoto PHOTO / Isamu Ebisawa

Profile/六代目尾上松助の長男として誕生。1990年、『伽羅先代萩』にて二代目尾上松也を襲名し、初舞台を踏む。以降子役として数々の舞台に出演、 1991年、 1993年、1996年に国立劇場特別賞を、 1993年に歌舞伎座賞を受賞。歌舞伎以外にもミュージカルやドラマ、バラエティにも出演するなど活躍の場を広げ、2016年には第37回松尾芸能賞新人賞、第33回浅草芸能大賞新人を受賞。

Vegas ONWARD presents 新感線☆RS
 『メタルマクベス』disc2 Produced by TBS
 作/宮藤官九郎 演出/いのうえひでのり
 音楽/岡崎 司 振付&ステージング/川崎悦子
 原作/ウィリアム・シェイクスピア「マクベス」
 松岡和子翻訳版より 出演/尾上松也、大原櫻子 他
 公演/9月15日(土)~10月25日(木)
 会場/IHIステージアラウンド東京(豊洲)
 ステージアラウンド専用ダイヤル 0570-084-617


■Cover Interview 新木優子