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Pick up Interview 大和悠河

ロキシーの叫びとセクシーな『シカゴ』の世界でみなさんを酔わせたい!

 宝塚歌劇100周年を記念して、ブロードウェイミュージカル「シカゴ』が、世界で初めて女性だけのキャストで上演される。メインキャストは、伝説のタカラジェンヌたち。元宙組トップスター・大和悠河さんは、主役のロキシー・ハートを演じる。
「『シカゴ』は、ブロードウェイに行くと必ず観る大好きな作品。ボブ・フォッシーの振り付けがセクシーでかっこよくて憧れる舞台でした」
 1975年初演、1996年からリバイバル版のロングラン公演が続く『シカゴ』は、1920年代ジャズ全盛期のシカゴを舞台に、女達の「殺人・強欲・裏切り」を描くセンセーショナルな物語。「清く・正しく・美しく」という宝塚の世界観とは真逆のストーリーだ。
「宝塚歌劇団でミュージカルを作っているのとはまた違う、『シカゴ』ならではの色合いがあるんです。稽古場に行くと、みんな宝塚のOGなのに、それを全く感じさせない。人それぞれの人間味というか、色気が出ていて、すごく新鮮で面白いと思いました。OGが集まると、『いい子でいよう、そろえよう』という宝塚のお行儀の良さが自然に出てくるのですが、今回は、みんなが自分という個の部分を打ち出している。ある意味、自分をちゃんと持ってないと、このミュージカルはできないんじゃないかと。そういう意味で、みんなそれぞれ今までとは違う感覚で『シカゴ』に臨んでいると思います」
 大和さんが演じるロキシー・ハートは、自分を捨てようとした愛人を殺し、悪徳弁護士の力を借りて無罪とスターの座を狙う、物語の中心となる役どころ。
「女性には選挙権も働く環境もなかった時代に、女性が活躍できる仕事のひとつがショーガールだったんです。だから、ロキシーもショーガールを目指す。でも、うまくいかずに、人を殺してしまう。それまで、本当の自分を押さえつけられていた中で、殺人を犯したところから、自分の中に渦巻く欲望が爆発していくんですね。そんなロキシーの叫びみたいなもの、一人の女性の内側から発散してくる強い思いを体中で演じたいです。稽古は始まったばかりですが、『シカゴ』の世界に入れば入るほど奥が深くてやりがいがあります。一つひとつの動作や振りにも意味があるので、そこをしっかりものにしていきたいです。演じる上で決められていることが多い分、歌舞伎のように役者の色や人間性が出てくる。だから、きっちりと芝居を固めていけば、自然に自分のロキシーが浮かび上がってくると思います。私ならではのロキシーにしたいと思いますし。とにかく『シカゴ』は、踊りも楽曲もかっこいい。観に来て下さったみなさんを酔わせたいです」
 愛くるしい容姿だけでなく、内面からの輝きでファンを魅了する大和さん。ポコチェ読者へ作品を通したメッセージを伺った。
「30代って、今まで見えなかったものが見えてきて、目指すものも、自分がどの辺りにいるかもわかってくるので、プレッシャーもあると思うんです。でも、あまり先のことを考えなくていいんじゃないかとも思います。今っていうものを大切にしていれば、その先は、その時になれば見えてくるし、開けてくるものなんじゃないかなと。女性が働くってすごくパワーがいると思うし、いろんな苦労も喜びもあると思いますが、『シカゴ』を観て感じるのは、自分自身に正直になること。自分が何をしたいか、何が欲しいか。日本人にとっては、意外と難しいかもしれないけれど、この作品を観て、女性達の変わっていくその強さ、生きることのエネルギーを感じ取っていただけたら、本当にうれしいです」
Text/Atsuko Tanabe Photo/Isamu Ebisawa Hair&Make / Emi Tanaka

Profile
1995年、宝塚歌劇団に入団。宙組男役トップスターとして活躍し、2009年に宝塚歌劇団を退団後女優デビュー。御園座座長公演・歌舞劇<オペラ>「「綺譚桜姫」や新国立劇場にてブロードウェイミュージカル主演「プロミセス・プロミセス」など、ミュージカルを中心に幅広い舞台で数多くの主演を務める。またテレビ、本の執筆など多方面で活躍中。

Vegas  ブロードウェイミュージカル「シカゴ」 宝塚歌劇100周年記念 OGバージョン
 日本版演出/吉川 徹  日本版振付/大澄賢也
 出演(トリプルキャスト)
 【ビリー・フリン] 峰さを理、麻路さき、姿月あさと
 【ヴェルマ・ケリー】 和央ようか、湖月わたる、水 夏希
 【ロキシー・ハート】 朝海ひかる、貴城けい、大和悠河
 上演/11月1日(土)~9日(日) 東京国際フォーラム ホールC
 東京凱旋公演も決定! 12月10日(水)~19日(金) 同会場



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